プロフィール

松縄正彦 

Author:松縄正彦 
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック

丹青(タンチョン)と緑

 丹青とは文字通り、“アオニヨシ”の逆で赤と青い色の事ですが、これに黄色、黒色と白色を加えて絵や模様を描く事をさしています。これは陰陽五行思想にもとずいたもので、朝鮮半島の王宮や寺院にはこの丹青がほどこされています。以前紹介した仏国寺の建物はまさにこの例で、一般の家屋とは異なる聖域である事を示したものとも云われます。高麗や朝鮮王朝時代には光の当たる外側に赤色、内側に“青”色が多く使用されています。但し、丹青自体は“建築物を華麗に装飾するとともに”長期に保存“して、対象物がもつ特殊性や位階を強調するために顔料を塗布する事(慶州博物館ガイドブックより)“だそうで、最も古い丹青の例として5~6世紀の高句麗壁画(安岳2号墳)などもあげられています。良く、建物の装飾法という説明がみられますが、建物に限定した装飾法ではないようです
 丹青で使われている色ですが、丹の赤い色は太陽を表します。赤い色は雑鬼を祓う色とされ、また血の色である事から生命の象徴ともされています。身体の臍の下部を“丹田”といいますが、これは、ここに力を入れると健康と勇気が得られるという事から“丹”の字が当てられています。
 一方、青色は天、海、水などの光や色とされ、彼岸の光、神聖さなどが象徴されているとも云われます。また陰陽五行説で青色は東に対応した色で、中国が東方の国である朝鮮を青丘と呼んだとも云われています
 これら赤と青の色は、陰の気をもつ悪鬼を祓う色とされ、悪気を祓う儀式でもこの2色が使われたとの事です(陰陽五行説では、白、赤、黄色が陽の色で、青は陰の色ですが、神聖さを表す色として使われたのかもしれません?)。高麗時代には、この赤と青が基色として使われたようですが、李朝時代になると色が多彩化し、模様も複雑になったと云われます。
 ここで注意すべき事は、昔は朝鮮でも、緑、藍、紺などを総称して“青色”としてきた事です。このため、緑の木の葉を青葉と表現しています。古代の日本と同じですね。以前紹介した仏国寺の建物には青色がなく緑色の彩色がされていましたので、おかしいな、と思っておりましたが、このような色感覚であったと知って納得しました。また建物ではありませんが、焼き物に有名な“青磁”があります。これも高麗時代に発達したものですが、青緑の釉薬が塗られた陶磁器です。
ちなみに古くは、丹青の顔料として中国経由で輸入された“西域産の天然の色岩石:真彩”が主に用いられたとの事で、大変貴重な品だったようです
 この丹青ですが、誰でも塗れるものではなく、仕事をするためには国家資格が必要のようです。インターネットで検索していましたら、一人前になるには15年程度必要とか。何についても一人前になるのは大変です。
関連記事
スポンサーサイト

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント